賃貸の解約に必要な退去の連絡などの流れ

そろそろ退去を考えています。今後の手続きで気を付けるポイントはありますか?

退去届がトラブルの原因になると聞きました。どこを確認したらいいですか?

このタイミングでは特約や部屋のキズ汚れにできる対策はほとんどありません。
これ以上の負担やぼったくりへの対策を紹介します。

賃貸の解約の流れ
今の契約書のチェック!
退去の連絡はいつまで?
会社によって記載方法が違いますが、標準契約書だと11条(乙(入居者)からの解約)をチェック
一般的なのは30日や1ヶ月という記載ですが、2か月前という契約もあります。
2か月前通知でも契約内容は有効です。
退去立会いが必要か?
会社によって記載方法が違いますが、標準契約書だと14条(明け渡し)をチェック
これは、「甲(貸主)に伝えたらOK」なので立ち合いを拒否することが出来ます。
希望する場合、解約届に拒否する旨を記載しましょう。
など立ち合いをする事や立ち合いを前提とした契約内容であれば立ち合いは必要です。
当法人は退去立会いをオススメしませんが立会いが必要な場合もあるのでその対策をまとめてます。
https://www.t-toraburu.com/big-demerit
https://www.t-toraburu.com/depreciation
短期解約違約金はあるか?
標準契約書にはそのような記載はありません!多いのは
という内容です。
ぼったくりというほどではないという判断のもと、消費者契約法で無効にはなりません。
特約は有効か?
「契約時にそんな説明はなかった」
説明が無かったという録音などの記録がありますか?相手側が「説明しました」と言われたら第三者にはどちらが正しいか判断できないので判断材料にはなりません。
「特約のページにサインしていない」
契約書が1枚や裏表、一冊や製本されていたり割り印がされていたり、
「契約内容に承諾し、サインする」
という内容にサインをしているのであればその内容は有効です。
- 契約書が1枚
- 契約書が裏表
- 1冊・製本
- 割り印が押されている
- 「特約は別紙参照」と書かれてる
- 「同意してサイン」の内容が書かれている
- 別紙でサインしていない
- 契約後後に渡された書類
- 契約更新で添付された書類
「金額について目安でも記載があるか?」
ハウスクリーニングやクーラークリーニング、畳や鍵交換料の金額は記載されてますか?特約が有効になる一番のポイントです。
ざっくりでも費用を入居者が判断できれば有効なので
2~3万ってはっきり書いてないから無効?
とはなりません。
無効を主張されるのであれば退去届に
と記載しましょう。
貸主は大家?管理会社?
契約によって、管理会社や大家さんに分かれます。
仲介会社ではありません。
契約書の「貸主」「退去の連絡方法」の欄を確認しましょう。
メールがベスト、出来なくても手紙で渡す前に写メを残す
退去を伝える方法がアプリや書面だったり違うので確認。
何の記載もないのであればメールで!
電話は録音しないならダメ!
立会いしないと退去になりません。
などおかしいと思う内容を言われてしまった場合、反論してもテキトーを繰り返したり恫喝してきたりするケースがあります。
あとからメールで指摘をしても
誤解されてます
って誤魔化されて嫌な気持ちになります。必ず録音することと、
と相手側に録音していることを伝えましょう。それだけでもテキトーを防ぎやすいです。
修理を連絡して無視された?
部屋の中で古くなって壊れたりして連絡をしたけどそのままになっていることはありませんか?
退去時に請求されたらたまったものではありません。そうならないようにメールで連絡して放置されている証拠に残すことをオススメしてました。
記録に残せてない場合には、
など今からでもメールをしましょう。
記録に残していない以上、請求されることはありますが、可能性は低くなるはずです。
貸主に退去届・解約届を出す
まずは内容を絶対に確認ください。
退去届の内容を隅々まで読む
退去後に一切の異議申し立てを行いません。
退去時にハウスクリーニング代5万円支払う
など書かれてませんか?
契約書にない内容が書かれていることもあります。
そのような場合には、2重線を引いて押印しましょう。
契約書は貸主と入居者で同意をしてサインしてますが、退去届・解約届は
だけなので、応じるかどうかは入居者次第。
契約書にないぼったくりを防ぎたいのであれば細かくチェック!!
退去届に記載すること
退去通知に記載する内容は、
・物件名
・部屋番号
・現住所
・借主の氏名
・敷金を預けている場合の返金用口座
・メールアドレス
のみで大丈夫。さらに、
・退去立会いを拒否出来る契約で拒否する
・特約の無効を主張する
・連絡して無視された内容を伝える
を追加するかを決めましょう。逆に
・電話番号
・お勤め先
・次の住所等
は記載する必要はありません。
ぼったくり防止の文言を書く
退去届に
退去費用は特約の有効部分と通常損耗以外のガイドラインに沿った入居者負担分しか認めず貸主負担分の請求は断ります。
請求書には費用を請求する側の証明責任として特別損耗の根拠として退去時と比較する入居時の写真と単価・㎡・減価償却率とを添付ください。
などを記載する事でキチンと対応してもらえたら良いし、ぼったくりをされても最初から指摘した証拠として残すことが出来ます。
退去届を撮影やスクショする
送ったって証拠はありますか?
というトラブルがとても多い!
送る内容を撮影し、配達記録で郵送か不動産会社のポストに投函
入力して送信した後では送信内容を確認できない場合があるので最後の確認画面をスクリーンショットが大事!
オプションなどで配達確認や開封確認をチェック!メールが届いたことだけを電話で確認するのはOK。
必ず社員の名前は聞いてメモしよう。
退去までにすることリスト
賃貸の解約に必要な退去の連絡などの流れ まとめ
- 契約書を確認して自分の状況把握が大事
- 修繕連絡を放置されていたらすぐメール
- 退去届は隅々までチェック!
- 退去届に契約書にない内容があったら断ってOK
良くある質問・主張
入居者側の質問
「入居時は特約を知らずにサインしてしまった」
契約書を読まずにサインをしたご自身の責任です。
目安でも金額の記載があるのであれば有効です。
「大家が年配で話が通じない」
間に管理会社や不動産協会が入っていないので不動産協会なども対応してもらえませんし、消費者センターからの忠告も無視されがちです。
またメールを使用していないケースもあるので録音の準備は必須です。
少額訴訟や法テラスの無料弁護士を検討しましょう。
貸主や管理会社の主張
「退去立会いは絶対です。」
「立会時に〇万円準備ください」
「特約は有効です。」
契約書に記載がない内容を電話してしまって言われてしまうケース。
どんな内容で同意してしまっても
と、おかしいと思った点を指摘したり確認をメールする事で対応できますが基本的には電話はしない!
電話を取ってしまっても
メールで送ってください。
この会話は録音します。
と電話を断りましょう。
「修繕の連絡された記録がありません。」
記録がない以上、賃料減額の主張は出来ず退去精算で請求される可能性が高いです。
退去までに直してください。
と伝えて、直せてなくても
というメールをもらっておくと安心ですね。
「退去届が届いてません」
基本的に泣き寝入りしかありません。退去届を出す時には気をつけて記録に残すようにしましょう。
「退去届にサインしたでしょ?」
契約書ではないので間違えましたなど主張できますがほぼ泣き寝入りです。
確認してなかった
などの言い訳は通用しません。隅々まで確認しましょう。